初回の女子アナ学で、吉川美代子先生が、

「抑揚をつけて原稿を読んではいけません!」とおっしゃっていました。

その通りです。

最悪です。

抑揚をつけたほうが、文章を読むときにいいのではないかというのは、間違っています。

特に、TBS系列では、よしとされません。

よしとされるのは。「自然な読み方」です。

「話しているように、読む」です。

原稿を読んでいるのか、普通に話しているのかがわからないようなレベルで、自然に読む というのが正解です。

とはいえ、学生レベルでは、これがさっぱりわかってもらえません。

技術的にも、できるようになるまでに、1年はかかります。

もっとかかるアナウンサーもいるかもしれません。

僕も、1年以上かかりました。

「あ。石井は原稿を読んでいるぞ」と思われたら、終わりなんです。

「本当は暗記しているんじゃないの? この人の言葉なんじゃないの?」と思わせる原稿読みが、素晴らしいんです。

女子アナ学での、候補者の原稿読みを見て「うまいじゃないか」と思った方もいるかもしれませんが、
全く持って、アナウンサーの読み方としてはアウトです。

発声もきちんとできて、自然に読めているアナウンサー志望者がいるのかというと、ほとんどいません。

石井も、学生の時は、できませんでした。

だからこそ、できたらチャンスで、ぶっちぎりで内定できるのです。

なぜ女子アナ学の初回で、原稿読みのテストが行われたのか?/女子アナ学 初耳学(吉川美代子先生)

原稿読みには、「内定する原稿読み」と「落ちる原稿読み」があります。

棒読みでも、内定することもあれば、一見上手に見えても、落ちることがあります。

これはプロのアナウンサーでなければ、聞き分けられないことでもあるので、仕方がないのではありますが。

新卒のアナウンサー志望者は、原稿読みが下手でも、内定することがあります。

「ああ。この人は内定する原稿読みができているな」と思わせれば、内定するからです。

ですが、既卒の場合は、違います。

既卒の場合は、新人研修を受けなくても、いきなりニュースデビューできるくらいではないと、内定は厳しいです。

特に、既卒でキー局に内定しようと思ったら、プロ顔負けの原稿読みは、できて当然です。

僕の場合は、学生をセレクションする場合、原稿読みでの審査は、していません。

後から教えれば、ある程度はどうにでもなるからです。

ですが、既卒の方をセレクションするのであれば、原稿読みからさせていくというのは、当然です。

22人の中で、まともに原稿を読めていた方は、おそらく1人もいなかったかもしれませんが、
鍛えればなんとかなりそうだという方は、いらっしゃいました。

なぜ、原稿読みがテストであったかというのは、既卒のアナウンサー志望者の方を対象とした
セレクションだったから、というのが正解です。

吉川美代子先生は、ここまで考えて、フリートークでもなく、自己PRでもなく、
原稿読みで、セレクションをしていたのです。

ここに気づいていただけたらなあ、と思ってテレビを見ていました。

また、解説をしていきますね。